下請けトラック事業者の人命を軽視するヤマト運輸
国土交通省は2024年1月26日、ヤマト運輸株式会社に対して勧告を行いました。貨物自動車運送事業法違反の疑いが持たれています。
下請けとなるトラック事業者に無理な運送依頼や長時間の荷待ち、不当な運賃の据え置き、過積載での運行指示などを行ったそうです。
大雨などにもかかわらず運送を強要したり、重大事故につながる危険性もある過積載を指示。
ヤマト運輸の下請けへのこうした対応は、トラック事業者の安全性や人命を軽視する姿勢や意識がみられます。
2019年に成立した貨物自動車運送事業法での勧告は今回が初となります。
ヤマト運輸は謝罪も過去に同様の「要請」を受けていた
ヤマト運輸は国土交通省からの勧告を受け、コーポレートサイトで「真摯(しんし)に受け止め、再発防止に向けた取り組みを着実に実施し、信頼回復に努めて参ります」とコメント。
また「ヤマトグループの業務を支えていただいているパートナーの運送会社をはじめ関係者の皆さまには、多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。」とした謝罪の意を表明しています。
国土交通省からの勧告を真摯に受け止め謝罪したヤマト運輸ですが、実は22年にも同相から過積載指示などに対する改善の「要請」を受けていました。
社名が公表されなかったためか、要請だから無視しても良いと思ったのか、その後も下請けトラック事業者への悪質な圧力は続きました。
社名公表されて勧告を受けたらすぐに間違いを認め謝罪したことは良いことですが、改善要請されてから1年以上も問題を放置するヤマト運輸の姿勢は褒められたものではありません。
今回の勧告も、社名を公表されていなかったら謝罪も改善もなかったかもしれません。
トラックGメンの監視で発覚
ヤマト運輸が行ってきた下請けトラック事業者への悪質で不当な圧力は、国土交通省が発足させた「トラックGメン」の監視や情報収集で発覚しました。
2023年7月1日に創設されたトラックGメンは、労働時間が長く、低賃金であるトラック事業者の労働環境・労働条件の改善を目的に創設され、今回のヤマト運輸のような悪質な荷主企業・元請事業者を監視し、その調査結果を貨物自動車運送事業法と照らし合わせ「働きかけ」「要請」「勧告」などを行います。
全国162名の体制で、日夜トラックドライバーの労働条件を向上させるべく活動。
2024年4月から始まるトラックドライバーの時間外労働の規制強化に向け、2023年11月と12月の2か月間、悪質な荷主や元請け業者などの監視・情報収集を集中的に実施していました。
トラックGメンへの相談窓口はこちらに掲載されています。
下請けいじめの告発先はトラックGメンだけじゃない
トラックGメンへの告発は非常に効果があり、有効な手段と言えます。
とは言え、今回のヤマト運輸のようによほど悪質な場合を除き、圧力をかけた企業名が世間に公表されることはありません。
過積載や長時間の荷待ちを強要しても、運賃を不当に据え置いても、社名は公表されません。
社名が公表されないため、そうした悪質な下請けいじめを行う荷主企業・元請事業者とは知らずに新たに取引を開始してしまい、被害を被るトラック事業者は後を絶たないでしょう。
そんな悪質な荷主企業・元請事業者の悪事を、いつでも告発・公表できる場所があります。
それは「客を評価する口コミサイト:ナニサマ」です。
みなさまの貴重な情報共有が二次被害を防ぎ、多くの下請けトラック事業者から取引を避けられた悪質な荷主企業・元請事業者の淘汰にも繋がる可能性も。
結果として業界の労働条件が改善していくかもしれません。
STOP泣き寝入り!悪質な荷主企業・元請事業者の口コミを投稿し、世間にその悪事を告発しましょう。