過去に要請を受けるも改善せず
王子マテリアは2024年1月26日、国土交通省から貨物自動車運送事業法違反で「勧告」を受けました。
下請けのトラック事業者に長時間の荷待ちをさせた疑いです。
貨物自動車運送事業法違反での「勧告」は2019年に同法律が成立してから初めてのこと。
王子マテリアは過去に同法律の違反で国土交通省から「要請」を受けていたそうですが、改善が見られないため今回の「勧告」を受けることになりました。
同社は国土交通省から改善計画の提出などを求められています。
コーポレートサイトで「お詫び」
王子マテリアは今回の「勧告」を受け、コーポレートサイトで「お詫び」し、行政指導を真摯に受け止め、取り組みを強化、信用回復に努めるとしています。
一方、過去に「要請」を受けてから、今回の「勧告」と「社名公表」まで問題を放置し改善を怠ったことも事実です。
まるで社名が公表されなければ大した問題ではないかのようは振る舞いは褒められたものではありません。
王子マテリアってどんな会社?
王子マテリアは、製紙業界大手の王子製紙を擁する王子グループの一員。
東京都中央区銀座に本社を持ち、資本金6億円、売上高2916億4500万円(2023年3月期)の大企業です。
粘着テープの原紙では国内で7割のシェアを持つトップ企業だそうです。
そんな大企業が下請けのトラック事業者に長時間の荷待ちを強要したのですから、まるで弱いものいじめの構図です。
発覚はトラックGメンの活躍で
王子マテリアが要請を受けても問題を改善せず、下請けのトラック事業者に悪質な圧力をかけていたことが発覚したのは、「トラックGメン」による監視によるもの。
トラックGメンは国土交通省によりトラック事業者の労働条件を目的に創設されました。全国で162名のトラックGメンたちが、荷主企業や元請け業者による悪質や圧力がないか目を光らせています。
2023年11月・12月はトラックGメンによる「集中監視月間」で、悪質な圧力をかける企業がないか、監視や情報収集が強化されていました。
トラックGメンへの相談、告発はこちらから。
ナニサマへの投稿・告発も忘れずに
ナニサマは「客を評価する口コミサイト」です。下請けトラック事業者が悪質な荷主企業や元請け業者の情報を口コミとして投稿でき、全国の下請け企業と情報を共有することが可能です。
トラックGメンや国土交通省からは、よほど悪質な場合を除き、社名が公表されることはありません。実際、今回王子マテリアへの勧告と同時に、164社への要請が行われていますが、その社名は公表されていません。
164社のうち、王子マテリアのように「要請」を無視し、下請けトラック事業者に悪質な圧力をかけ続ける企業が出てくることも考えられます。
要請を受けた企業のうち何社かは、新たな被害者を生み出すでしょう。これは社名が公表されないことも一因と考えられます。
STOP泣き寝入り!新たな被害者を生み出さないためにも、悪質な荷主企業・元請事業者の口コミを投稿し、世間にその悪事を告発しましょう。