東京インテリア家具が
優先的地位の濫用の疑い
納入業者に1.66億円返金へ

2024年03月26日

東京インテリア家具が独占禁止法違反の疑い

株式会社東京インテリア家具が独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会からの立ち入り検査を受けました。

疑いのある違反行為はいずれも客である優位な立場を利用した悪質な圧力・強要です。

東京インテリア家具は被害にあった取引先約120社に対し、約1.66億円を返金する予定。

独占禁止法違反の疑いが持たれている具体的な行為のは以下の通りです。

納入業者の従業員を無償で派遣させる

東京インテリア家具は納入業者に対し、新規店舗の開店や既存店舗のリニューアルオープン時に納入業者の従業員を無償で派遣するように強要。

従業員を派遣することへの条件についての合意はなく、当然のように費用の負担も行っていませんでした。

納入業者の従業員は商品の搬入や陳列を手伝わされたそうです。搬入や陳列を行った商品は、納入業者の取扱商品以外のものも含まれていたようです。

オープン協賛金の拠出を強要

新規店舗の開店に際しては「オープン協賛金」を無理やり徴収。納品された商品代金の5%の金銭を収めさせていました。

納入業者は商品の搬入や陳列を無償で手伝わされた挙げ句、お金を払わされました。納入業者からしてみれば踏んだり蹴ったりです。

地震による損失負担

2021年2月と2022年3月に福島県沖で地震が発生しました。東京インテリア家具では福島県、宮城県、岩手県の店舗で商品が毀損や汚損が発生、値引きや廃棄の対応をとることに。

地震による被害を受けたことは同情しますが、東京インテリア家具はその被害を納入業者に無理やり補填させていました。

東京インテリア家具について

東京インテリア家具は全国に約50もの店舗を展開する家具・インテリアの販売会社。本社は東京都荒川区。資本金1億円、従業員数2430名(令和4年8月現在)の大企業です。約160社と家具の取引をしています。

サイトでは「公正取引委員会による調査の終了に関するお知らせ」を掲載

東京インテリア家具はコーポレートサイトで「公正取引委員会による調査の終了に関するお知らせ」を掲載しています。コメント内では『なお、公正取引委員会による認定は、当社が独占禁止法の規定に違反することを認定したものではございません。』との一文が。

違反は認定されていませんが、東京インテリア家具は公正取引委員会に確約計画を提出して納入業者約120社に対し1.66億円も返金します。

もう一度言います。『公正取引委員会に確約計画を提出して納入業者に1.66億円も返金します。』

公取委、東京インテリア家具の確約計画を認定

東京インテリア家具は独占禁止法違反の疑いがある前述の行為を改めると公正取引委員会と約束し、改善計画を提出。

法令遵守体制の整備等を行う「確約計画」として公正取引委員会から認められました。

東京インテリア家具の確約計画

1. 違反被疑行為を取りやめていることの確認等
2. 納入業者への通知・従業員への周知徹底
3. 納入業者への返金(金銭的価値の回復)
4. 違反被疑行為と同様の行為を行わないこと
5. コンプライアンス体制の整備
6. 履行状況の報告

確約計画とは?

2018年からスタートした制度で、独占禁止法違反の疑いを持たれている会社が自発的に策定した改善計画を「確約」し、公正取引委員会からの排除措置や課徴金を免除してもらうというもの。

ざっくり言うと「独占禁法違反についての司法取引」。

これにより多大なコストや罰金が発生してしまう「排除措置命令」や「課徴金納付命令」を避け、自主的な改善計画を進めることが可能です。

比較的軽めの独占禁止法違反の疑いが持たれている場合に適用されます。

まとめ

今回明るみになった東京インテリア家具の独占禁止法違反(優先的地位の濫用)の疑いはあくまで氷山の一角。泣き寝入りしている下請け業者・納入業者と、彼らに悪質な圧力をかけ続けるブラック依頼主は数えきれず存在しています。

そうした悪質なクライアントの情報を共有できるのが「客を評価する口コミサイト:ナニサマ」です。

STOP泣き寝入り!悪質な客の情報を口コミ投稿し、ブラック依頼主の実状を共有することで、二次被害を防ぎましょう!