下請けへの支払い代金を減額
2024(令和6)年1月23日、株式会社メタルテックは公正取引委員会より下請法違反(下請代金の減額の禁止)の疑いで勧告を受けました。
2022年5月から2023年6月までの約1年の間、客である有利な立場を利用して、下請け事業者への支払い代金を一方的に減額。減額した金額は総額で6,193万7,555円に上ります。
この期間に株式会社メタルテックからの減額圧力の被害に遭ったのは下請事業者5名。
株式会社メタルテックの口実は「屑費」
株式会社メタルテックが減額の口実に利用したのが「屑費」でした。 聞き慣れないこの言葉、株式会社メタルテックはどういう理屈で使っていたのでしょうか。
株式会社メタルテックの強引で悪質な理屈は以下の通り。
下請け業者が株式会社メタルテックへの納品物を製作する際に鉄スクラップ(抜き打ち屑・鉄屑)が生じる。
↓
その鉄屑を打ったら利益出るはず
↓
だから代金から鉄屑の売却代金減額だ!
え?なんで?
もう無茶苦茶です。
株式会社メタルテックってどんな会社?
株式会社メタルテックは愛知県小牧市に本社を置く、自動車部品の製造販売などを行う企業です。
1923年(大正12年)創業、資本金は7億8,000万円、従業員数が651名(2023年3月末現在)、売上高234億円(2023年3月期)の大企業です。
顧客には株式会社豊田自動織機や三菱自動車工業株式会社などが名を連ねています。
株式会社メタルテックは日本を代表する企業を顧客にもつ、資本金7億8,000万円の大企業。弱い立場の下請けをいじめるのではなく、コンプライアンスの意識を強く持ち、責任ある行動をしてほしいものです。
公正取引委員会からの勧告の概要
株式会社メタルテックが公正取引委員会から受けた勧告の概要は以下の通り。いずれもごく当たり前の内容です。
大企業がわざわざ外部から言われる内容ではありません。
⑴ メタルテックは、下請事業者に対し、前記2⑵の行為により減額した金額を速やかに支払うこと。
⑵ メタルテックは、次の事項を取締役会の決議により確認すること。
ア 前記2⑵の行為が下請法第4条第1項第3号の規定に違反するものであること。
イ 今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減じないこと。
⑶ メタルテックは、今後、下請法第4条第1項第3号の規定に違反する行為を行うことがないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講ずること。
⑷ メタルテックは、前記⑴から⑶までに基づいて採った措置を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
⑸ メタルテックは、前記⑴から⑷までに基づいて採った措置を取引先下請事業者に通知すること。
⑹ メタルテックは、前記⑴から⑸までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。
株式会社メタルテックの反応
2024年3月現在、株式会社メタルテックからの反応はありません。
コーポレートサイトでのお知らせやコメントもなく、沈黙を保っています。
社名も公表され、指導ではなく「勧告」されているにも関わらず、コメントも出さない姿勢は褒められたものではありませんね。
ナニサマへの投稿も忘れずに
このように、公正取引委員会から名指しで勧告されているのに無視を決め込む大企業も存在します。
下請けいじめをする企業は公正取引委員会が目を光らせる大企業だけとは限りません。中小企業でも、客である立場を利用して納品後の減額を行うことも多々あります。
世の中には下請けいじめが蔓延っています。勧告され、社名を公表されるのは氷山の一角。公表されない悪事を告発する場所が必要です。
そんなときに便利なのが『客を評価する口コミサイト ナニサマ』です。
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