一方的なマスク発注取り消しで
王子ネピアが公正取引委員会から
下請法違反で勧告される

2024年04月09日

王子ネピア株式会社による下請けイジメ

王子ネピアによる下請けイジメが発覚し、2月15日付けで公正取引委員会より勧告を受けています。

王子ネピアは、自社が販売するマスクの製作を下請け会社に依頼。2021年度いっぱいまでの契約を締結し、発注書を交付していました。

ところが、年度期間中の12月、一方的に契約を破棄。立場の弱い下請け会社に対し、発注の一部取り消しを求めます。

当初の発注量の3割に相当する製品を「製造しても受け取らない」と、客としての有利な立場を利用し、高圧的な態度に出ます。

下請け会社は製造に必要な不織布などの資材や人材の手配を既に行なっており、理不尽な発注取り消しで損失が出てしまう状況でしたが、王子ネピアはこの損失、不利益分の補填や負担を拒みました。

王子ネピアの対応は、自己中心的かつ高圧的で非常に悪質です。

公正取引委員会からの勧告

この状況を重くみた公正取引委員会は2月15日、王子ネピアに再発防止を勧告しました。 下請法第4条第2項第4号(不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止)の規定に違反する行為が認めらたためです。

下請法では、下請け事業者に責任がないのに、発注の取り消し、内容変更、やり直しを費用の負担をせずに強要し、下請け事業者に不利益を与える行為が禁止されています。

勧告の概要は以下の通りです。

⑴ 王子ネピアは、次の事項を取締役会の決議により確認すること。
 ア 前記2⑶の行為が下請法第4条第2項第4号の規定に違反するものであること
 イ 今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の内容を変更させることにより、下請事業者の利益を不当に害さないこと

⑵ 王子ネピアは、今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の内容を変更させることにより、下請事業者の利益を不当に害することがないよう、自社の発注担当者等に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講ずること。

⑶ 王子ネピアは、次の事項を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
 ア 下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、発注の一部を取り消すことにより、下請事業者に生じた費用相当額を、下請事業者に対し支払ったこと
 イ 前記⑴及び⑵に基づいて採った措置

⑷ 王子ネピアは、次の事項を取引先下請事業者に通知すること。
 ア 下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、発注の一部を取り消すことにより、下請事業者に生じた費用相当額を、下請事業者に対し支払ったこと
 イ 前記⑴から⑶までに基づいて採った措置

⑸ 王子ネピアは、前記⑴から⑷までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。

王子ネピア株式会社って?

王子ネピア株式会社は、製紙会社大手「王子製紙」有する王子ホールディングスのグループ会社。紙パルプ加工品などの製造販売大手です。ティッシュペーパーやトイレットペーパー、キッチンペーパー、紙おむつなどを生産しています。

資本金3億5000万円、売上高638億1800万円(2023年3月期)、従業員数897人(2021年3月現在)の大企業です。

2024年1月にはグループ企業の王子マテリアも下請けイジメで国土交通省から勧告を受けています。

王子マテリアの下請けイジメについても記事にまとめていますので、こちらをどうぞ。

王子ネピアの対応

王子ネピアはコーポレートサイトで公正取引委員会からの勧告についてコメントし、丁寧な謝罪と再発防止の意を公表しています。

2023年11月には、下請け会社が負担した約2,600万円を支払いました。

まとめ

王子ホールディングスから今年で2社目の勧告となりました。

いずれもコーポレートサイトで反省の念を掲載し、再発防止に努めています。

これまで悪気なく当たり前のように下請けイジメが行われていたのかもしれません。

大企業やそのグループは王子ホールディングスだけではなく、多数存在します。

彼らからの圧力や下請けイジメを受けても、資本金が一定以上の規模であれば下請法は守ってくれません。

下請法に守られない立場でも、下請けイジメを告発できる場所があります。

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